草迷宮 立石公園内にある「草迷宮碑」です。 ここに書かれているのは、秋谷が舞台となっている泉鏡花(いずみ きょうか)の中編小説「草迷宮」の一節。隣には「泉鏡花の文学碑碑」があります。 「大崩壊」とは、「大崩」のことで長者ヶ崎と円乗院があるあたりくらいまでの山側の部分を指し、崖崩れが多いことから「大崩(おおくずれ)」と地名がついたようです。 ゆったりウォークでグルメ旅の立石コースもこの「大崩」周辺を歩きます。 地質は新第三紀葉山層群の脆弱な泥岩、日当たりが良いので斜面を利用し、江戸末期から平成にかけて、早採りのサヤエンドウの栽培が行われていました。(1969年には栽培農家が一戸 ) 泉鏡花は明治41年に草迷宮を執筆しているので「春は紫に、夏は緑、秋紅に、冬は黄に」とはサヤエンドウの栽培風景を描いたものなのでしょうか。 サヤエンドウは春に赤紫の花が咲く品種があり、収穫が東日本では初夏、山肌が緑になったのでしょう。 しかし「秋紅に、冬は黄に」が筆者は調べられませんでした(^^;) どなたかご存知の方いらっしゃいますか? 「藤を編み、蔦つたを絡まとい、鼓子花ひるがおも咲き、竜胆りんどうも咲き、尾花が靡なびけば月も射さす。」 「竜胆(りんどう)」は秋に咲く紫色の花、こちらも品種によっては春に咲くものもあるようです。「鼓子花ひるがお」は春から夏にかけて咲きピンク色、尾花はススキの別名、秋に風で靡いたススキと満月もしくは星空の風景は絶景だったのではないでしょうか。 どちらにしても、この大崩で四季折々の風景は素晴らしかったのでしょう。「美しき花の衣」と表現されています。 この碑の文の前後: 「蹈ふむ足許あしもとは、岩のその剣つるぎの刃を渡るよう。取縋とりすがる松の枝の、海を分けて、種々いろいろの波の調べの懸かかるのも、人が縋れば根が揺れて、攀上よじのぼった喘あえぎも留やまぬに、汗を冷つめとうする風が絶えぬ。さればとて、これがためにその景勝を傷きずつけてはならぬ。」 「いで、紺青こんじょうの波を蹈んで、水天の間に糸のごとき大島山に飛ばんず姿。巨匠が鑿のみを施した、青銅の獅子ししの俤おもかげあり。その美しき花の衣は、彼が威霊を称たたえたる牡丹花ぼたんかの飾かざりに似て、根に寄る潮の玉を砕くは、日に黄金こがね、月に白銀、あるいは怒...